学会ってちょっと興味あるけど、ハードルが高そう。
入ってみたいけど、どこがいいかわからない。
迷っている人にとりあえずオススメの学会は次の3つです。
上記の3つは日本語教育の分野ではかなりメジャーな学会と言ってもいいでしょう。
迷ったらとりあえずどれかに入ってみることをオススメします。
【学会に入るメリット・デメリット】
上の3つの学会のメリット・デメリットはざっと次のような感じです。
日本語教育学会
メリット
- 支部大会など、参加できる機会が多い
- 大会や講演会は一見さんも多く、気軽に参加できる
- 経験の浅い現場の教師が参加してもそれなりに満足できる
- 人数が多すぎて知り合いができにくい
- 論文の査読が通りにくい
- ただ参加したい人にとっては会費は割高
オススメな人
- これから研究をしていきたい大学学部生
- 研究発表の腕試しをしたい大学院生
- 研究よりも実践の知識を得たい人
- 「業界」の雰囲気を味わいたい人
言語文化教育研究学会(ALCE)
メリット
- 研究を本気でやりたい人に有益な情報が多い
- いわゆる「業界の有名人」の話が多く聞ける
- 自分から情報を流しやすい
デメリット
- 都市部以外での活動が少ない
- 実践のみに興味のある人(研究にあまり興味のない人)には少しハードルが高い
- オンラインが苦手な人は十分に活用できない可能性も
オススメな人
- 専門家の話を積極的に聞きたい人
- 日本語教育を学問的に掘り下げたい人
- 首都圏に住んでいる(早稲田までのアクセスがいい)人
異文化間教育学会(IESJ)
メリット
- 文化的なテーマが多い
- 人類学など、他分野の権威のある研究者の話も聞ける
- 日本語教育以外の分野の学問研究の動向もつかみやすい
デメリット
- 全国規模の大会が年1回しかない
- 日本語教育のテクニカルな知識はつきにくい
- 日本語教師の人がメインの学会にするには少し物足りない
オススメな人
- 文化や社会に興味のある人
- 海外で日本語教師になりたい人
- とりあえずサブとして2つ目の学会を考えている人
です。
日本語教育学会
金銭的に余裕があればとりあえず日本語教育学会から始めてみましょう。
会員数も多く、分野的にもオールラウンドにカバーされています。
海外在住の会員も多いので、他国の日本語教育に関する情報も得ることができます。
HPには教師募集の情報も出ていますので、就職したい人にもオススメです。
毎年秋には全国規模の秋季大会が東京以外の地域で行われるので、タイミングがよければ自分の住んでいる県でも行われるかもしれません。
ただし、日本語教育学会はコストがかかります。
入会金¥5000、年会費¥10000は上記3つの中で最も高く、さらに全国大会や地区大会などには別途参加費がかかります。
研究発表をする予定がなければ、大会は会員以外の一般参加も可能ですので、会員にならずにその都度参加費を払う形にしても良いでしょう。
言語文化教育研究学会
学会のことはよくわからないので¥10000はちょっと…と思う人は、言語文化教育研究学会(ALCE)がオススメです。
年会費¥5000(学生会員¥3000)
設立してからそれほど時間が経っていない、比較的新しい学会ですが、研究発表や講演会のクオリティは高いです。
日本語教育学会と重複して入会している人も多く、意欲的な研究者が多いイメージです。
元早稲田大学教授の細川英雄さんをはじめ、近しい人たちが中心になって運営されているので、多少早稲田色が強い感はありますが、その分、研究発表等にハズレは少ないです。
必然的に活動も早稲田中心のような形になってしまいますが、オンライン開催の研究会なども多数あるので、それに抵抗がなければ東京以外の方にもオススメです。
大学院博士課程の学生や、専門家の話を積極的に聞きたい人にはコスパの良いオススメの学会です。
異文化間教育学会
異文化間教育学会は、上記2つとは少しタイプの違う学会です。
日本語教育がメインではなく、異文化間教育の中に日本語教育の分野が入っているイメージです。
なので、日本語教育以外の研究者も多く入会しています。
異文化間教育学会は入会金¥3000、年会費¥10000(学生会員¥8000)と、会費は日本語教育学会と同じような感じです。
規模はそれほど大きくありませんがクオリティは決して低くはありませんので、うまく活用できるとおもしろい学会と感じられます。
日本語教師になると、日本語そのものの言語的な知識だけでは不十分だということを実感するようになります。
そのような時に文化や社会など異なる視点から日本語教育にアプローチしてみたいと思ったら、この学会に入るのも一つです。
また、上記のどちらかに入会して2つ目の学会を考えている人にもオススメです。
【興味のある学会があれば、まずは入ってみよう】
大学の教員など、研究活動をしている人は複数の学会に入っていることが多いです。
私もほとんど活動に参加していないものも含めると5つほど入会しています。
日本語教師として活動して行くのに、必ずしも学会に入る必要はありません。
書店に行けば専門書もありますし、ネットで学会自体やそれと同レベルの論文も読めます。
ただ、学会に行けば新しい研究の動向がわかりますし、知り合いを作ることもできます。
会費がかかるので最初からたくさんの学会に入る必要はありませんが、充実した教育(研究)活動のために、興味があれば入っておいても損はないでしょう。
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