日本語教師を目指す人で大学院への進学を考えている人も多いようです。
「大学院へ行った方がいいかな…」
このようなことをよく相談されますが、結論から言えば
「どこで仕事をしたいか」
によります。
大学院へ進んだ方がいいケース、そうではないケースについて考えてみましょう。
【大学院へ進学すると就職に有利なの?】
大学院へ行った方が仕事をするのに有利なの?
恐らく大学院進学を考えている人の多くはこの疑問を持っているでしょう。
現実的な問題として、大学院へ行けば単純に仕事を見つけやすいということはあります。
つまり付加価値にはなるということです。
ですが、正直仕事を得るには「経験」と「口コミ」によるところが大きく、圧倒的に有利とまではいえません。
基本的に大学院は研究機関なので、就職に役立つスキルアップを目指してはいません。
要するに、大学院へ行って研究をしても、教えるための技術は上がりません。
それを期待するなら、日本語教師として働くためと考えるとコスパは決して良くない選択です。
少なくとも博士前期(修士)課程で2年、100万円単位の時間とお金がかかります。
大学院の有利な点は、研究発表をすることで人脈を作れることです。
面白い研究で他の人に興味を持ってもらえれば、就職口を紹介してくれる、あるいは自分の学校に引っ張ってくれるということもあります。
また、先輩や修了生とのつながりで就職先が見つかる可能性も学部より高いです。
学会や研究会に出席することで、どこでどのような教育が行われているかを知ることもできます。
単純なスキルアップという点では現場にでた方がいいですが、このような付加価値があるというのも、また違った現実です。
【将来大学の教員になりたい人は、大学院進学は必須】
将来、大学で留学生に対する日本語教育の仕事をしたいというのであれば、大学院はほぼ必須です。
修士以上の学位がなければ、大学での教育職はかなり狭き門となります。
(100%ムリだとは言いませんが)
非常勤講師であっても、大学院を出ていなければ相応の教育経験がなければ難しいでしょう。
特に大学での教育を考えていないのであれば、必ずしも修士・博士は必要ありません。
それよりも少しでも多くの経験を積む方が早道です。
大学院への進学を考える前に、まずは将来どこで仕事をしたいかを考えましょう。
【特定の分野の研究をしたい人も大学院進学は有効】
他にも、日本語教師になった後で、特定の分野やテーマについて自分で研究がしてみたいという人も大学院進学は選択肢のひとつです。
単純に
「わからないことを知りたい」
「知識を深めたい」
というのであれば、読書やネット検索でもできます。
ただ、そこでわかるのはあくまでも他人の調査、研究の結果であり、それが全て目の前の学習者に合致しているということはありません。
指導教官や同じゼミの先輩などのアドバイスを聞いて論文を書くという経験は、他ではなかなかできません。
仕事の現場とは切り離して、その分野の問題点を明らかにしたいと思える人は行く価値はあるでしょう。
【大学院は学部とは違うものと考えましょう】
「自分で調査、研究がしてみたい」あるいは「その方法を学びたい」という人は、大学院進学はとても有効な選択肢です。
基本的に「大学(学部)」と「大学院」は全く違うものと考えておいた方が無難です。
単純に勉強したいという動機だけではなく、具体的な目標を持って選択することが必要です。
大学院は学部とは違い、学生の年齢や経歴は多様です。
とりあえず進学する前に、迷ったら一度保留するのが無難です。
1年待ったとしても、しっかりと自分の進む道を決めてから進んでも遅くはありません。
コメント