日本語教育の世界では、新卒よりも転職や早期退職後に日本語教師を目指す人が多いです。
特に50代以上の割合がかなり増えてきています。
50代から新たな道を目指すのはエネルギーがいります。
この年代は未経験者であってもじっくりと時間をかけて結果を出すというわけにはいきません。
準備をしながら少しずつでも結果を出していかなければなりません。
そのような人は次のポイントを意識してみましょう。
- オールラウンドを目指さない
- 新人のポジションを取らない
- 苦手な部分は最小限で、できなければ素直にSOSを
年下の教師や平均年齢の低い学習者との距離感をうまく取ることで、職場でのポジションが取れるはずです。
【50台からの日本語教師はオールラウンドを目指さない】
50代からの日本語教師は一点突破を目指しましょう。
オールラウンドな教師を目指すよりも「OOならこの先生」というポジションを取りましょう。
50代から教師を目指す人は20代の教師と違って、学生から友人のような親近感は抱かれません。
さらに、同僚の教師からも全くの新人のようには扱われないことが多いでしょう。
その意味では、職場ではビミョ~な立ち位置になってしまいがちです。
そこで、教師としてはオールラウンダーを目指すのではなく、
「文法ならOO先生に聞け」
「漢字のことはOO先生が詳しい」
といった感じになるように、
一点突破で何かのスペシャリストになることでポジションを取りましょう。
同じスペシャリストが他にいてもかまいません。
「文法ならOO先生か△△先生」のように他にスペシャリストがいてもいいのです。
人間には相性がありますから、他の先生では聞きにくいといった学生もいるでしょう。
そのような学生のためにサブ的な役割になってもいいのです。
オールラウンダーとなってベテランの教師と比較されるよりも、これだけは負けないといった強みを持ちましょう。
【新人のポジションを取らない】
50代から教師になる人は、キャリア的には新人です。
でも、周りからはそう見えていません。
学生目線も同じです。
学生からすると50代の教師はかなり大人に見えます。
20代の教師のように友だち感覚で寄ってきてはくれません。
職場に同じ50代の教師がいて、その人が30年近いキャリアを持っていれば、その人と同等に見られます。
そのような状況で「新人だからわからない」「新人だからできない」というのは自分が不利になるだけです。
キャリアのあるベテランの教師と同じように見られるのであれば、それをうまく自分が有利になるような材料にしましょう。
自分の得意分野を中心に授業を組み立て、なるべくそこに関連させていくことで自分のペースを作ることができます。
(ただし、それでは偏りが出てしまうことも留意しておきましょう)
【苦手な部分は最小限で、できなければ素直にSOSを】
50代から日本語教師を目指す人は、前職での成功体験をひとまず封印しましょう。
新しい職場では「こんなはずじゃなかった」ということが多々あります。
前職の成功体験を引きずっている人は、そのような時に素直にSOSが出せません。
つい自分の力でなんとかしよう(できる)と思ってしまいます。
もちろん、他人の手を借りずになんとかなる問題もありますが、苦手なことはそうはいきません。
もし他の人に聞くのが恥ずかしい、聞きにくいという人は、苦手な部分はムリしてやりすぎないことです。
最小限の成果を残せれば、それで十分です。
それで組織自体が回らなければ、その仕事は他の人が担当することになります。
そこでもムリして自分の仕事としてムダな労力を使わないようにしましょう。
それは全体から見ると決して生産的な仕事にはなりません。
どうしても自分でやりたいと思ったら、その時は素直にSOSを出しましょう。
他の人に助けてもらうことは決して恥かしいことではありません。
それはお互い様ですし、後で入ってくる新人ができない場合に教えてあげればいいのです。
前職と同じ感覚で自分の仕事のクオリティを考えないようにしましょう。
自分よりも全体の仕事の流れを考えて、より効率的な方法を選択することが重要です。
【新人っぽくない新人の働き方】
業界が変われば誰しもが新人です。
でも、50代は新人でも20代の新人と同じようには扱われません。
まずは一点突破で自分のポジションを見つけましょう。
それ以外は最低限の仕事でかまいません。
周りの人をよく見て、誰がその仕事をするのがより全体にとってプラスになるかを考えましょう。
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