なかなか日本語力が伸びない学習者への対処法ーできることにフォーカスしようー

スキル

 

クラス運営をしていると、なかなか学習が進まない学習者がいます。

他の学習者と同じ授業を受けているのに、習得度に差が出ると言うことは珍しくありません。

(むしろ出ないと言うことに方がマレです)

なかなか学習が進まない学生には、できることにフォーカスしてあげましょう。

やる気がない、やってもできない…

そのような学生には、できないことをやらせようとせず、できることにフォーカスしてあげる方が効果的です。

学習が思うように進まない学生には、次のことを考えて対応しましょう。

  • 「楽しい」授業を目指さない
  • 「楽しみ」よりも「喜び」を目指す
  • できる体験の後にできない体験を入れる

ちょっとした工夫をするだけで、学習状況が改善する場合があります。

うまく学習が進まない学生がいた場合は、意識してみましょう。

【うまく学習が進まない学習者の場合は「楽しい」授業を目指さない】

 

よく、「楽しんで学ぼう」というフレーズを聞きます。

楽しむことは否定しませんが、基本的にこれはすでに楽しめるだけのスキルがある人の言い分です。

野球をやったことのない人がいきなり野球をしても楽しむことはできません。

ゲームをしたことのない人が初めてやったゲームを楽しむことはできません。

もちろん、他人がやっていることを見ることで楽しむことはできます。

しかし、教室で他人が勉強しているのを見ているだけでは楽しめませんし、普通はそれ自体許されません。

授業では見ているだけではなく、必ず参加することが求められます。

他の人より学習が遅れている学習者は、同じことをしても一緒に楽しむことができません。

周りばかり楽しんでいると、むしろ「楽しみ」よりも「苦しみ」の方が強くなってしまいます。

そのような状況では、ますます学習が進まなくなってしまいます。

学習を継続させるためにはそのような事態にならないように教師は配慮しなければなりません。

うまく学習が進められない学習者に対しては、楽しむことを目指す授業からは転換する必要があります。

【学習者には「楽しみ」よりも「喜び」を】

楽しむことを目指す授業では、下手をすると逆に苦しみを与えかねません。

学習がうまく進まない時は、「楽しみ」よりも「喜び」を目指しましょう。

「楽しみ」はすでにできる人にしか感じられませんが、「喜び」はできない人にも感じることができます。

むしろできない状態からできる状態になる方がより大きく感じられるでしょう。

また、「喜び」はみんなと共有しなくても、一人でも感じることができます。

他の人とのレベル差は関係ありませんし、同じタスクでなくてもいいのです。

個人に見合った、自分なりの達成感でいいのです。

他の人から見ればかんたんなことであっても、その人が初めてできたときにはそのことに喜びを感じることができます。

他の人ができる・できないは気にしなくてもいいのです。

「自分ができた」ことに喜びを感じればいいのです。

「楽しみ」はいずれ飽きてしまうことがありますが、喜びは何度おとずれても飽きることがありません。

その度に新鮮な感覚になれます。

喜びはそのまま学習を継続したいという意欲につながります。

学習がうまく進まない学習者には「楽しみ」よりも「喜び」の方が効果的なのです。

【学習者のできる体験の後にあえてできない体験を入れよう】

できないことができることに変わり、喜びを感じると、どうしてもできることを繰り返したくなります。

難しくてできないゲームに挑戦するよりもできるゲームを何度も繰り返しプレイしてしまうのと同じです。

できることをすれば「楽しみ」を感じることができますが、「楽しい」はいずれ飽きてしまいます。

なので、「できる」「楽しい」の後にはあえてできないタスクを入れましょう。

できないからできるへの経験があれば、挑戦へのハードルはそれまでより低く感じます。

同じように学習していくことで、再びできるからできないへと変わるイメージができます。

しかも、できるには「喜び」も一緒についてくることがわかっているので、より頑張れるようになります。

できないが続けばよほどの理由がない限り継続できませんが、できる体験を入れることで、学習が継続できるのです。

【学習者のできることにフォーカスすることで学習は進む】

 

なかなか思うように学習が進まない学習者には、できることにフォーカスしてあげましょう。

できない状態で頑張ろうとせず、できることで「喜び」を感じ、できないからできるへのハードルを下げるのです。

目の前の学習者が今どのような状況にあるのかを常に意識することが重要です。

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